リスク対策はどこまでやればいいのか?②

リスク対策にコストがどこまでかけられるか、という点で、少なくとも最悪の事態を想定してシミュレーションをすべきと『リスク対策はどこまでやればいいのか?①』で記載しました。

それでは最悪の事態とはどの程度のものでしょうか?

       

     

地球が滅亡などの手の打ちようが無いところまでは想定しなくてもいいと思います。

例えるなら、すごくネガティブな人が悪い方へ悪い方へイメージを膨らませていくような感じで考えればいいのではと思います。

        


例えば、福島の原発の場合、「そこまで大きな津波を想定していなかった」という設計の問題がありました。

本来はどんな津波が来ても、どんなに大地震でも安全性を担保できるようにすることが最上ですが、ではどこまで防波堤を築けばいいのか?という終わりのない問いになってしまいます。

設計の段階では、過去の日本内外の津波の大きさや地震の規模と発生件数(割合)から可能な範囲の、悪い言い方になりますが、「妥協点」を見出す必要があります。

    

そのうえで、それ以上の規模の災害が起きた際には何が起こるか、全て列挙し、それぞれの対処法、リスクを最小限にする方法を考え、最終的にはどんなに最悪の事態が起きても想定していたため、できる限りの対処ができた。と言えるところまでやるべきではないでしょうか。

福島の原発では、津波対策の壁の高さのミス、海水注入やベントのタイミングなど様々な課題が浮き彫りになりました。しかし、あれだけの施設であり、世界でもトップクラスの技術を集めて作られたものであるため、装備は最高クラスだったと思います。問題があったとすれば、指揮命令系統が統一されていなかったこと、判断が後手に回ったことではないかと思います。

     


企業経営は想定通りの方が少ないのではないでしょうか?

経営者は会社だけではなく、社員やお客様や地域を守るために最大級の備えを行い、被害を出さないことが必須ではないかと思います。